Entries

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
http://tabimanabi.blog110.fc2.com/tb.php/37-95ce3ee6

トラックバック

コメント

コメントの投稿

コメントの投稿
管理者にだけ表示を許可する

ことだまと切り身

昨日は多和田葉子さんの新刊発売間近記念の講演会に。


「じんしんじこ」という詩の朗読を聞く。

むしゃくしゃ、燕、口を合わせる、ピンク自転車、シェパード、鉄道網にひっかかったままいきいきと・・・

多和田さんの声は、意外と固い。張り詰めた重量がある。
多和田さんのテニスの硬球のような声が、真正面から飛んできては、会場の壁にぶち当たり、跳ね返り、食道を通って胃に落ちてくる。

かたい。歯ごたえ。咀嚼されない。口火。切られない。のどごし。荒濾し。洗い晒し・・・


多和田さんは、ドイツ語と日本語の両方で小説を書くことの難しさについて、
「まるで犬と猫の両方の機嫌を取るようなもの・・・」とコメントし、会場から笑いが起こった。

そう、多和田さんの言葉は、犬猫が掘った穴につまづき、手引くリードに自らからまり転げながらもよたよたと歩むその動線が美しい弧を描くようなイメージでくるくるるくるく姿を変える。変貌する。飛び石で飛び、その足で跳ね、返ってはまた再帰的に自らをどこかに投機させるのだが、ひとつとして同じ軌跡は描かない。



会場で、偶然にも5年ぶりに大学の後輩と再会した。

潤みのある青年だった。文芸春秋の編集者になっていた。
彼も私も、当時所属していたサークルにまるで飽き飽きしていて、すぐ退会したのでその後お互いがどうなったのかは分からなかったのだ。
文学が好きで、自らも小説を書いたりしていた彼は、見事に夢を叶えたことになる。

キャンパスで、サークルの溜まり場だったベンチに座り、新緑の木々を背景に手を振る彼の姿を思い出した。
奇しくも会場は東洋英和女子大の大学院棟、麻布十番の一角、三田キャンパスのすぐそばだった。

5年前の緑の匂いがふっと香った。
スポンサーサイト
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
http://tabimanabi.blog110.fc2.com/tb.php/37-95ce3ee6

トラックバック

コメント

コメントの投稿

コメントの投稿
管理者にだけ表示を許可する

Appendix

About me

小野美由紀

Author:小野美由紀
こちらにブログ移行しました→http://onomiyuki.com/

慶應大学仏文学科2010卒。
学生時代は「深夜特急」に憧れ世界一周22カ国等海外でフラフラ。一番の思い出はスペイン巡礼。
NPOカタリバ学生職員、道塾を経、現在はフリーライター。
「まれびとハウス」でのんびり料理する日々。
WEBサイトのライティングや仏語翻訳も請負います。
いつか巡礼について読み物を書きたいと思っています。

Ranking

[ジャンルランキング]
独身・フリー
231位
アクセスランキングを見る>>

[サブジャンルランキング]
独身貴族
16位
アクセスランキングを見る>>
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。