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【講演会録】稼げるライターになる!R25世代の文章論 上阪徹(ライター)×藤井大輔(R25エグゼクティブプロデューサー)

speaker:上阪徹(ライター)×藤井大輔(R25エグゼクティブプロデューサー)
date & place:2010.12.14 新宿ジュンク堂8F
organizer:ミシマ社



「プロ論。」「カタリバという授業」など、多くのヒット書籍を手がけるフリーライターの上阪徹さん。
彼の新刊が先日ミシマ社から発売された。その名も「書いて生きていく プロ文章論」。
(ミシマ社といえば、出す本出す本、きらりと光って一生胸に残るような良書ばかりのステキな出版社。
以前少しだけバイトをさせていただいた事もあり、私は大好きだ。)

基本の文章技術はもとより、取材相手への接し方が肝であるインタビュアーという仕事ならではの、人との向き合い方、関わり方についての思想まで、上阪さんの豊富な知慧がぎっしりつまった、読んでも読んでも学びの尽きない実用的な一冊だった。

今回発売記念に行われた、R25の藤井さんとの対談では、紆余屈折を経て現在の屈強な仕事力を鍛えてきた上阪さんの、実践的な仕事のノウハウが語られた。


上阪:最初は作文を書くのが死ぬほど嫌いでした。今でも、大学時代の友人からは『お前がライターかよ』なんて言われます。


上阪さんはもともと、文章を書く仕事に就くことなど全く考えていなかった。新卒時は広告代理店を目指していたが、希望の会社に入れず、アパレルメーカーに就職。一年後、やはり自分は広告をやりたいと、リクルートから新しくできた制作専門の会社に転職。「とらばーゆ」などの求人雑誌で企業広告を専門に書く仕事を任され、自分の苦手な文章を仕事道具にせざるを得なくなる。
通常、大手広告代理店などが作る商品広告は「イメージ広告」と呼ばれるのに対し、リクルートの作る広告は「アクション広告」と呼ばれる。つまり、広告コピーによって、実際に人を動かし、応募させなければならないのだ。


上阪:入社してからしばらくは、2cm×2cmサイズの広告を作る仕事ばかりしていました。例えば「残業なし!」とか、そういうコピーを書いたらもう枠がいっぱいになっちゃうような(笑)。
求人広告は、イメージ広告と違い、その広告を見て何人応募してきたか、成果が明確に分かるんです。だから、クライアントに「お前の書いた記事で人来なかったじゃないか」と言われたりする。それが嫌だから、どうすれば応募が取れる広告を作れるか、必死に考えました。
で、だんだん大手企業の広告を任されるようになると、今度はターゲット、つまり応募してほしい人々にピンポイントで響く広告を書かなければならないんですね。

藤井:仕事を始めたばかりの頃の失敗談とか無いんですか?

上阪:初めて1年くらいの頃、とある小さな企業の広告を任せられたんです。ちょうど表現のことなんかが分かり始めてきた所だったので「ちょっと変わった事言ってやろう」と思った。
藤井さん:クリエイティブ魂を出しちゃったんですね。
上阪:で、ちょっと変わったコピーを書いたんですけど、全然効果が出なくて。やっちゃったなと思って、営業の人と一緒に、その会社まで謝りに行きました。
そこで気づいたんです。自分が書いた文章で人を傷つけてしまう事も、損をさせてしまう事もある。自分の欲望を文章に載せちゃいけないな、と。


心から笑ってない大人はあやしいね


その後、部署内の優秀な広告に贈られる賞を取ることを目標に仕事を続けたが、なかなか一位は取れず、伸び悩む。方向転換するなら早いほうが良いと考えた上阪さんは、紹介されたベンチャー企業の編集職に転職。しかし、その会社は3ヶ月で資金繰りが行き詰まり、倒産した。

上阪:今から考えたら、そりゃ倒産するよという感じでしたね。だって、小さいベンチャーなのに、いきなり新卒で20人も採用したりしてたんだもん(笑)。
この時気づいたんですが、一緒に仕事をする相手を選ぶ時は、その人の顔を見るのは重要ですね。僕は仕事柄いろんな人に会うんですが、やっぱり人柄って顔に出ます。顔は笑ってるのに心から笑ってない大人はあやしいね(笑)

仕事もお金も無く、行き詰まった所で否応なしにフリーライターとして独立を決意。当時は昔の仕事仲間に会いに銀座まで出て行くお金も無かったという。

上阪:最初はお金がなかったから、リクルートのある編集部でアルバイトしていたんですよ。アンケートを袋詰めする仕事が僕の仕事(笑)3ヶ月前までは部下もいたのにね。
で、半年経った頃、ようやくフリーランスとして初めての仕事を手に入れました。「地方の元気ベンチャー」という特集で、企業の取材をし、4ページほどの記事を書く仕事でした。


クオリティを出せない仕事はしない



ようやくフリーで仕事ができるようになり、不況の中、損保会社の広告などをたくさん制作した。やがて「上阪は金融に詳しい」というイメージが広がり、金融関係の雑誌の創刊に携わる事に。


上阪:最初はお金もなく、食べることに精一杯だったんで、とにかく仕事をいただけることが嬉しかったですね。

藤井:フリーのライターとして、自分は食っていけるという自信を持ち出したのはいつごろからですか?

上阪:フリーになって5年目くらいですね。きっかけは、インタビュー連載の仕事が取れた事。それまでは、何ヶ月か先まで保証されているような仕事は全く無かったので、それが自信になりました。

藤井:基本的に、上阪さんは仕事を断らないそうですが・・・。

上阪:そうですね、ただ、スケジュール調整が無理な場合や、徹夜を続けないとできないような場合はお断りします。「クオリティを保証できない仕事は受けない」というのをポリシーにしています。

藤井:自分のキャパって、初めたばかりの頃は分からないものではないですか?

上阪:自分のキャパと、その仕事にどの程度労力がかかるのかを計算して、越えないようにします。それは、締切りを絶対に守ることを自分に課しているから。編集記事はたいてい締切りがルーズですが、広告記事は締切りがシビアなんです。自分だけの仕事で終わらない。デザイナーさんが僕の仕事を待っているからね。だから、今でも上の編集者から言われた締切りは死んでも守りますね。


あえて年齢の離れた相手と仕事をする


フリーのライターとして仕事をする中、クライアントや編集部からの要望と、自分が書きたい内容が違う場合、そのジレンマに悩むこともあるという。


上阪:クライアントと自分の意見が対立したときは、それはもう、相手に従いますね。お金を握っているのはその人なので。けれど、広告の場合はクライアントがどんなにこっちの文章がいい、と言ったとしても、それで効果が出ないと仕方ない。そこは悩みどころです。
だからこそ、「相場観」つまり方向性を共有できる人と一緒に仕事することが大事ですね。
そうしつつ、相手が設定した全体の設計の幅の中で、自分を出してゆく。その幅内でなら、編集者の方ともぶつかって、僕はこうしたほうがいいと思う、とちゃんと言いますね。ベテランの編集者の方は、懐が深いので、それでも大丈夫。ベテランの方にぶつけて、どんな反応が返って来るかを見て、参考にします。
フリーで仕事をしていると、ついつい同じ世代の人と仕事したくなっちゃうんですよね、楽だから。でも僕は、あえてそれはしない事にしている。年上の人、年下の人と仕事することで、成長できるから。


なんで僕はうだつが上がらないんだ


その後、週刊誌で一年間、雇用についての連載を持ち、その仕事が、やがて後に書籍化され、累計40万部のベストセラーとなるインタビュー連載へとつながる。


藤井:あのインタビューの時なんか、多くの著名人から話を聞き出すわけですが、何かテクニックはあるんですか?

上阪:僕は、成功した方々に対して「○○さんはどうやって成功したんだろう」とか、「それに比べてなんで僕はうだつが上がらないんだ」とか、そういう事を本気で聞きたいと思っている。だから、それを聞くだけで面白いんですよ。テクうんぬんじゃなく、真剣に聞いている。
よく考えたら普通、初対面の人に根掘り葉掘り聞かれるのって嫌じゃないですか。質問者の意図と、自分が話したい事が一緒かどうかも分からない。話をする前提もそろってないのに。
だからこそ、僕は下調べをすごくします。してない振りをしますけど。事前にインタビューのゴールを決め、脳内で8割がた記事を完成させた状態で、現場に行くようにしています。


ターゲットの「相場観」を読む努力



藤井さん:最初、R25のコンセプトは、「日経新聞を読んでいないけど読んでいるような気になれるもの」だったんです。だから、経済ネタを、ちょうど読者と同世代の目線で書いてもらえないか、という事で上阪さんに話を持っていったんです。

上阪:絶対失敗すると思ってたけどね(笑)

藤井:(笑)当初はサブカルチャー全盛期で、趣味嗜好ごとにターゲッティングした雑誌ばかりもてはやされて、年齢別の区切りはもはや駄目だと思われてましたからね。
ところで、上阪さんは、25歳の目線で書くというのは、できると思っていたんですか?

上阪:それは、自然とできるんじゃないかと思っていました。今でも25歳の目線でモノを書けると思います。それは、記事を書く時、ターゲットの「相場観」、つまり彼らが面白いと思う事、興味の対象を掴もうと努力しているからです。

藤井:ターゲットの相場観を磨く時に一番努力していることってなんですか?

上阪:ターゲットの考えていることを知るために、書店でのリサーチは欠かさないですね。雑誌を立ち読みし、各紙のターゲットを分析したり、年代やセグメントごとの傾向を掴んでいます。女性誌を読んだり、立ち読みしている人を観察したりもします。ネット書店だと、「面」で観察できないから、相場観はつかみにくいですね。だから結局いつも書店にいっちゃう。


「稼げるライターになる!」ために・・・



上阪:藤井さんは、ダ・ヴィンチなどの編集の時、仕事を依頼するライターさんをどうやって決めていたんですか?

藤井:僕はけっこう幅広くて、この人はまず変態的な文章は書かないだろうという安全牌の人から、この人危ないな、ナマモノだな、みたいな人にも頼みます。どうしても安定的な人に偏りがちだけど、それじゃ面白くない。冒険したほうがいいから。
ライターさんも一緒で、これから文筆業を目指す人には、守備範囲を広く取って、いろんな記事に挑戦してほしい。
ブログやtwitterで既に文章を書かれていて、自分、イケルんじゃないか、っていう自信があると、つい書くものを限定しがちになるじゃないですか。でも、僕はこんな記事書けるんで、こんな記事やらせてくださいっていうより、どんな記事でもやらせてくださいって、トライをいっぱいしたほうがいいですね。昔の編集者って、もっと遊びがあったんですけどね。今は、どのページも支持率で固められてしまう。そんな中でも、なんでもトライして、自分の振れ幅を大きく持つことが大事ですね。

上阪:ライターをやっていくのに、僕が絶対必要だなと思うことは、まず、締切りを守ること。守らないのが当たり前の業界なので、守るだけで貴重です。
それから、仕事をいただいている事自体に感謝しなければいけない。僕は紆余屈折を経てこうしてお仕事させていただいているわけですが、今振り返ってみると、無駄なことは一つもなかった。なにやってるんだ、と思ったこともあったけど。毎日毎日を、愛おしく思いながら生きていく事が大事なんじゃないかな。インタビューした方から、取材を通して戴いたものってホントに大きいと思うし。

(了)


終わりに


私も今、フリーライターとして初仕事に取り組んでいる。正直、歯を食いしばるほどツライ。
初仕事ながら、よりによって超難関の巨山に当たってしまったという感じである。

けれど、上阪さんのようなスーパーフリーライターでさえ、七転び八起きで色々な挫折も抱えながら仕事をしてきたのだと思うと、経験だけが人を成長させるのだなぁと、当たり前の事に改めて感じ入ってしまう。
藤井さんの言葉通り、自分を限定せず、なんでもトライする事、つまり自分の普段見えている範疇外に飛び込む事がライターとしての振れ幅を広げる事だとしたら、うまく行かず辛い経験をしている今こそ、針の振れ幅がちょっとずつ広がっている最中なのだと思える。

二人の真摯な言葉に勇気づけられた対談だった。





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About me

小野美由紀

Author:小野美由紀
こちらにブログ移行しました→http://onomiyuki.com/

慶應大学仏文学科2010卒。
学生時代は「深夜特急」に憧れ世界一周22カ国等海外でフラフラ。一番の思い出はスペイン巡礼。
NPOカタリバ学生職員、道塾を経、現在はフリーライター。
「まれびとハウス」でのんびり料理する日々。
WEBサイトのライティングや仏語翻訳も請負います。
いつか巡礼について読み物を書きたいと思っています。

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